子供が生まれると、子供のために計画的に教育資金を貯めていこうと考える方は多いと思います。
我が家も将来、子供が進学する際に金銭的理由で選択肢を狭めて欲しくはないので、将来に備えて計画的に教育資金を貯めようと決めました。
そんな時に検討したのが「学資保険」です。
ただ結論を言うと、我が家は学資保険に入りませんでした。
その理由は下記3点です。
①物価変動を加味した商品ではない
②制度上、中途解約が難しい
③近年、利回りが下がっている
それぞれ解説するために、まずは学資保険の仕組みをおはなしします。
1.学資保険の特徴
学資保険とは、子供の進学時の教育資金を準備するための貯蓄型の保険のことです。
毎月決まった額の保険料を払うことで、子供の成長に合わせた進学準備金や満期学資金を受け取ることができます。
保険料の払い込み期間や保険金の受け取り時期は、商品によって異なりますが、自分たちのライフスタイルに合わせて設定ができます。
例えば、10年間で集中的に保険料の払い込みを実施し、子供の大学進学時に保険金を全額受け取るものや、入園・入学など子供のライフイベントに合わせてこまめに受け取るものなど様々です。
また契約者、つまり親に万が一のことがあった場合は、それ以降の保険料の払い込みが免除になるのも、学資保険の特徴です。
これは銀行預金などで貯蓄した場合にはない特徴ですよね。
さらに契約形態などによっては、受け取った保険金と既に払い込み済み保険料の差益が非課税になったり、子供が怪我をした際の医療保障が付いている学資保険もあります。
ここまでメリットを書くと学資保険に加入した方がお得と思われるかもしれませんが、当然ながら注意点もあります。
2.我が家が学資保険に加入しなかった理由
一つ目は、物価変動が加味されていないことです。
学資保険は、契約した時点で将来受け取ることができる保険金額が決まっています。
「20年後に○○円保険金を受け取る」といった契約をするわけです。
しかし今のお金の価値と将来のお金の価値は変わっているかもしれません。
例えば、今の100万円の価値と20年後の100万円の価値が同じとは限りませんよね?
今は100万円で買える商品が、物価が上昇すれば、20年後は100万円を出しても買うことができません。
物価が上昇した分、今の100万円の価値は相対的に下がってしまいます。
つまり、せっかくコツコツと学資保険で貯蓄をしても、保険金を受け取る時点の物価によっては実質的に損をしてしまうこともあり得るんです。
二つ目は、実質 中途解約することが難しい点です。
中途解約しても解約返戻金を受け取ることはできるのですが、解約返戻金はそれまで払い込んだ保険料の合計額を下回ってしまうことが多いです。
ですので、学資保険に入ると決めたら中途解約しない前提で、継続的に払い続けられる保険料を加入時に設定する必要があります。
でも子供が将来どんな人生を歩んで、そのためにいつ、いくら必要かなんてわからないですよね。
お金に余裕があれば良いですが、状況によっては学資保険を解約せざるを得ないことも考えられます。
そんな時、融通が効かない保険だと困ってしまいますよね。
最後の三つ目は、利回りが下がっていることです。
少し前までは利回りの良い学資保険もあったのですが、近年では利回りの良い学資保険でも年利0.5%程度であり、学資保険以外の安全性の高い運用商品で運用した方がお得と感じてしまうような利回りしか出ないんです。
上記のように❝確実に❞貯蓄すべき子供の教育資金なのに、学資保険は様々なリスクを伴っていると言わざるを得ません。
以上を踏まえて、我が家では学資保険には入りませんでした。もちろん、上述したように学資保険はメリットもあります。
貯蓄が苦手で「強制貯蓄」という性質を利用して教育資金を貯めたいという方もいるでしょう。
でも、「強制貯蓄」は財形制度などでもできますよね?メリット・デメリットをしっかり理解した上で、結論を出すようにして下さい。
子供ができると何かとバタバタ忙しく、十分に検討の時間が取れないかもしれません。
そんな時に、検討の参考になれば嬉しいです。